ポンペ病とは?
ポンペ病(Pompe disease)は、特定の酵素(酸性α-グルコシダーゼ)が欠損または活性が低下することにより、ライソゾーム内にその基質であるグリコーゲンが進行性に蓄積することで生じる先天性代謝異常症です。
主に、骨格筋、心筋および平滑筋などに蓄積し、乳児型では、筋緊張低下(フロッピー・インファント)、呼吸障害、心肥大、肥大型心筋症、発育不全などが認められます。遅発型では、近位筋筋力低下、呼吸筋筋力低下、高CK血症、翼状肩甲などが認められます。
病型は、臨床所見や発症年齢により乳児型、遅発型(小児型、成人型)に分類されており、わが国では約80名の患者さんが報告されています。
遺伝形式は常染色体潜性(劣性)遺伝です。
どんな症状が出るの?
乳児型 | 遅発型 |
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生後2-3ヶ月以内に徴候や症状が現れ、劇的に進行します。
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成長におけるいずれの時期にも発症し、より緩慢に進行する傾向があります。
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症状には個人差があります。
病型は?
病型は、臨床所見や発症年齢により乳児型、遅発型に分類され、さらに、遅発型は、小児型と成人型に分類されます。
どうやって診断するの?
皮膚や筋肉、血液を少し採取して、リンパ球または培養皮膚線維芽細胞の酵素(酸性α-グルコシダーゼ活性)の働きを測定します。 他にも、筋肉を少し採取して蓄積しているグリコーゲンを確認したり、酸性α-グルコシダーゼ遺伝子変異を調べることがあります。
ポンペ病を疑う所見
- 近位筋筋力低下
- 呼吸筋筋力低下
- 高CK値
その他、運動発達の遅れ、歩行障害、易疲労性などの症状があります。
1次検査として、乾燥ろ紙血による酸性α-グルコシダーゼ活性検査を行います。
どうやって治療するの?
遺伝子組換え酸性α-グルコシダーゼ製剤を補充する酵素補充療法(ERT)があります。酵素補充療法は、欠損している酵素を体外から点滴で補充し、蓄積している糖脂質を代謝・分解する治療法です。
他には、骨格筋の機能低下や呼吸筋の機能低下、心疾患などへの対症療法が必要となる場合があります。