ライソゾーム病センター

ファブリー病について

ファブリー病とは?

ファブリー病(Fabry disease)は、特定の酵素(α-ガラクトシダーゼA)が欠損または活性が低下することにより、ライソゾーム内にその基質であるグロボトリアオシルセラミドが進行性に蓄積することで生じる先天性代謝異常症です 。
主に、血管内皮細胞、自律神経節、汗腺、腎、心筋、角膜などに蓄積し、四肢末端痛、心肥大(左室肥大)、腎不全、蛋白尿、脳梗塞、被角血管腫、発汗障害(無汗症、低汗症)、角膜混濁などが臨床症状として認められます。
病型は、臨床所見や臓器障害、性別により古典型、亜型(心ファブリー, 腎ファブリー)、ヘテロ型に分類されており、わが国では約900名の患者さんが報告されています。

遺伝形式はX連鎖性遺伝です。

どんな症状が出るの?

消化管症状 胃腸障害
食後の腹痛や下痢、嘔気、嘔吐など。
神経症状 四肢疼痛
手先、足先に発作的な疼痛が生じ、数分から数時間持続します。また、持続的な感覚異常(鈍くなる・しびれる・チクチクする)も起こることがあります。

聴覚低下
聞こえにくく、耳鳴りが生じることがあります。
皮膚症状 被角血管腫
赤紫色の発疹が、胸部、腹部、臀部、陰部、大腿などに出現します。痛みやかゆみはないと言われています。

低・無汗症
発汗機能が障害され、汗をかきにくくなり、体温調節ができなくなります。
眼症状 角膜混濁
角膜に渦巻き状の混濁が確認されます。
腎機能障害 蛋白尿・腎不全
尿中のタンパク量が増加し、その後、腎不全にまで至る場合があります。
心機能障害 心肥大
心肥大や心筋梗塞、弁膜異常などを呈し、腎不全と同様に重篤な臓器障害の一つです。
脳血管障害 脳梗塞や脳出血を起こし、記憶障害や運動麻痺を来たす場合があります。
精神障害 うつ症状をきたすこともあります。

症状には個人差があります。

病型は?

ファブリー病の臨床症状は多彩であり、また出現する症状およびその程度には個人差があります。男性患者では、若年期に発症し典型的な臨床経過をたどり、本疾患に特徴的な症状のほとんどが出現する「古典型」のほか、中年期に発症し、一部の症状のみが発現する「遅発型」に大別されます。
女性患者(ヘテロ型)では、無症状のものから、男性患者と同様に重篤な臓器障害を発症するものまで、臨床症状に多様性が認められます。

どうやって診断するの?

血液を少し採取して、血液中の酵素(α-ガラクトシダーゼA)の働きを測定します。
他にも、血液や尿を採取して蓄積している糖脂質(Gb3, GL3, CTH)を確認したり、α-ガラクトシダーゼA遺伝子変異を調べることがあります。

ファブリー病を疑う所見

  • 四肢末端痛
  • 腎不全、蛋白尿、マルベリー小体
  • 心肥大、(左室肥大)

その他、被角血管腫、発汗障害(無汗症・低汗症)、角膜混濁、脳梗塞などの症状があります。

どうやって治療するの?

遺伝子組換えα-ガラクトシダーゼA製剤を補充する酵素補充療法(ERT)または、低分子化合物によって変異酵素蛋白質を構造的に安定化させる薬理学的シャペロン療法(PCT)があります。酵素補充療法は、欠損している酵素を体外から点滴で補充し、蓄積している糖脂質を代謝・分解する治療法です。薬理学的シャペロン療法は、既定の薬を一日おきに内服する治療法です。
他に、四肢末端痛、腎症状、心症状、皮膚症状などへの対症療法が必要となる場合があります。