睡眠時無呼吸症候群の診療
睡眠時無呼吸症候群専門外来
当院耳鼻いんこう科では、毎週火曜日に睡眠時無呼吸症候群の専門外来を設けています。
睡眠時無呼吸症候群とは何か、どのような診察や治療を実施するのか、こちらでご紹介しましょう。
睡眠時無呼吸症候群の定義・症状
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に見られる“いびき”や“息こらえ”を特徴とする睡眠呼吸障害の総称です。
睡眠中、1回10秒以上の無呼吸・低呼吸が、1時間当たり5回以上観察される呼吸障害
自覚症状としては、日中の眠気、集中力の低下、居眠りなどが挙げられますが、それ以外に見過ごされがちな症状として、起床時の倦怠感・口渇感や頭重感、夜間頻繁に目が覚める・トイレが近いなどあります。また、自覚症状がなくても家族の指摘により診断にいたる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群と関係する様々な合併症・予後
睡眠時無呼吸症候群で注意を要するのは、夜間の酸素不足が原因で、高血圧や不整脈、心不全を発症するリスクが高くなることです。
実際、1時間あたりの無呼吸が20回以上に達するような中等症~重症の人の場合は、寿命が短くなり、発症から7~8年後に2割から3割の人が死亡すると報告されています。そして、その死亡原因の多くが、心筋梗塞や脳梗塞なのです。
睡眠時無呼吸症候群に対する検査・診断・治療
睡眠時無呼吸症候群に対する検査を希望される方は、まず、睡眠時無呼吸症候群の専門外来を受診していただくことになります。
初回
初回の外来受診日は、鼻・口・のどの診察を行い、上気道の狭窄の有無を調べます。その後は自宅へ戻って、スクリーニング検査(簡易呼吸検査)を行っていただきます。
2回目
2回目の外来受診日は、スクリーニング検査の結果報告を行います。睡眠時無呼吸症候群の可能性が疑われる方は、1泊2日の入院で精密検査(PSG検査:終夜睡眠ポリソムノグラフィー)を受けることを薦めています。PSG検査は、睡眠中の呼吸状態の測定に加え、脳波や眼球運動、心電図、筋電図の記録を行い、睡眠時無呼吸症候群の診断と重症度を評価するのに非常に重要な検査です。
3回目
3回目の外来受診日は、PSG検査の結果報告を行います。中等度以上(無呼吸・低呼吸指数:AHIが20回/時以上)の睡眠時無呼吸症候群と診断された方には、CPAPと呼ばれる鼻にマスクをあて睡眠中の呼吸をサポートする治療を薦めています。 そのほか、当院は歯科装具や耳鼻科的手術などの治療にも対応しています。

PSG検査:終夜睡眠ポリソムノグラフィー
当院では睡眠時無呼吸症候群に対する精密検査としてPSG検査を行っています。この検査は、睡眠時無呼吸症候群の診断はもちろんのこと、詳細な睡眠の質的評価が可能で、現在までに2,000件を超える検査を実施しております。
検査は1泊2日の入院で行います。検査を受ける方の負担を軽減するため検査当日は16時に入院していただき、夕食、入浴の後、19時以降に検査準備を開始、21時には就寝(検査開始)して頂きます。翌朝7時には検査が終了し、シャワーと朝食を済ませて午前9時までには退院が可能です。


日本睡眠学会専門医療機関である(※)当院では、睡眠環境を整えた個室に入院していただき、専門の医師、技師、看護師が対応いたします。
【入院可能曜日】月、火、水、金

※当院は、2019年7月に日本睡眠学会より、睡眠時無呼吸症候群等を対象とした専門医によるPSG検査が行われているなど、学会が定める条件を備えている睡眠呼吸障害の医療を行う専門医療機関として認められました。