診療科案内

呼吸器内科

概要・特色

  • 肺がんをはじめとした呼吸器腫瘍に対して診断・治療を行い、最適な治療法を提供します。
  • 気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・びまん性肺疾患・気胸など一般疾患の診断・治療を行います。
  • 若年者・高齢者を問わず細菌性肺炎や抗酸菌感染症、真菌感染症などの治療を行っています。(高齢者肺炎の入院治療も可能です)
  • 一般呼吸器疾患に対しては急性期・慢性期を問わず幅広い疾患に対応しています。

    排菌状態の結核に関しては結核病床を有する病院への転院が必要です。

対応疾患

呼吸器悪性腫瘍(肺がん、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍)、肺炎、誤嚥性肺炎、肺抗酸菌症(肺結核、非結核性抗酸菌症)、肺真菌症、肺化膿症/肺膿瘍、胸膜炎/膿胸、気管支喘息、過敏性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD/肺気腫/慢性気管支炎)、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、好酸球性肺炎、間質性肺炎(肺線維症、膠原病肺など)、薬剤性肺障害、じん肺症、びまん性肺疾患、気胸、胸水貯留など

対応症状

咳、痰、血痰、労作時呼吸困難/息切れ、喘鳴、胸痛、健診異常(胸部異常陰影)

主な治療・検査

  • 気管支鏡検査
    呼吸器悪性腫瘍や感染症、間質性肺炎をはじめとしたびまん性肺疾患の診断、血痰の出血源検索などのために行います。検査は1泊2日の入院にて行い、局所麻酔に加えて鎮静剤を併用し、苦痛の少ない検査を心掛けています。また、仮想気管支鏡ナビゲーションシステムを併用し、より末梢の小さな病変に対しても正確な診断に到達できるよう最大限の努力を行っています。
  • CT ガイド下肺生検
    胸膜に接する腫瘍に対して、CT検査を用いて穿刺部位を確認しながら直接針を刺して生検を行います。
  • FDG-PET/CT
    肺がんをはじめとした悪性腫瘍の転移の診断、再発の有無を調べるために行います。当院では院内で迅速に検査を受けることが可能です。
  • 肺がん・胸膜腫瘍に対する薬物療法
    肺がんの治療は日々進歩を続けており、肺がんの大きさや転移の有無(=Stage)・肺がんの組織型・遺伝子変異の有無・PD-L1発現の有無により標準治療は異なっています。最新のガイドラインに準拠しつつ、一人ひとりの状態を加味し、最善の結果が得られるよう呼吸器内科全体で治療を検討し、実施します。また、早期より症状緩和のための緩和医療の推進に取り組み、肺がん患者さんのQOLの向上に取り組んでいます。
  • 放射線治療
    放射線科と連携し、高精度放射線治療装置(Versa HD)による早期肺がんの根治的照射や症状緩和のための姑息的照射に加え、局所進行肺がんに対する放射線併用化学療法を積極的に行っています。
  • 胸腔穿刺/胸腔ドレナージ
    気胸や胸水貯留の治療を目的として局所麻酔下で行います。胸水貯留に対しては胸水検査を同時に実施し、原因の検索を行います。
  • 局所麻酔下胸腔鏡検査
    胸水貯留の原因を調べるために、胸腔内の観察及び胸膜病変の生検を目的として入院で実施します。
  • 胸膜癒着術
    難治性気胸やがん性胸膜炎をはじめとした胸膜疾患に対する治療として、自己血やブドウ糖、薬剤を用いた胸膜癒着術を行います。
  • 呼気一酸化窒素濃度(FeNO)測定検査
    長引く咳には、肺炎や結核、肺がん、咳喘息といった様々な疾患が隠れている場合があります。通常のレントゲンや胸部単純CT、肺機能検査などによる精密検査に加えて、当院では気管支喘息や咳喘息の診断・長期管理の補助としてNObreath®という機器を用いて、呼気に含まれる一酸化窒素濃度を測定し、咳に隠れた喘息の診断・治療方針の検討の一助とします。
  • 在宅酸素療法
    COPDや間質性肺炎などを背景とした慢性呼吸不全の患者さんに対しては、在宅酸素療法を導入し、予後改善やADL向上を目指します。
  • 禁煙治療
    喫煙は肺がんをはじめとした多くのがんや、虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周疾患など多くの疾患、低出生体重児や流・早産など妊娠に関連した異常の危険因子といわれています。また、たばこに含まれるニコチンには依存性があり、自分の意志だけでは、やめたくてもやめられないことが多いといわれています。当院では専門外来である禁煙外来において、禁煙治療の支援を行っています(毎週月曜午後、事前予約制)。

医師紹介

主な実績

2020年度 2021年度 2022年度
治療・検査 件数 治療・検査 件数 治療・検査 件数
気管支鏡検査 62 気管支鏡検査 71 気管支鏡検査 83
局所麻酔下胸腔鏡 4 局所麻酔下胸腔鏡 1 局所麻酔下胸腔鏡 6
CTガイド下肺生検 1 CTガイド下肺生検 0 CTガイド下肺生検 0

呼吸器内科をもっと詳しく

超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)について

超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)について

左右の肺の間には縦隔と呼ばれる構造があり、ここには気管や心臓、大血管、食道といった重要な臓器が存在しています。本検査はconvex型と呼ばれる超音波気管支鏡を用いて、気管支壁外に存在する病変をリアルタイムに確認しながら、気管支壁を貫いて病変に針を刺し、組織や細胞を吸引して採取するという手法です。肺癌や悪性リンパ腫のほか、サルコイドーシスをはじめとした各種疾患の診断に対する有用性が高く、通常の気管支鏡検査と同様に行っています。