診療科案内

整形外科

概要・特色

  • 下肢関節、脊椎および手外科の領域の慢性変性疾患に対する⼿術治療に⼒を⼊れています。特に⼈⼯膝関節置換術においては、全例に簡易ナビゲーションシステムを導⼊してインプラントの設置精度を⾼める取り組みをしており、良好な治療成績を得ています。
  • ⾼齢者の脆弱性⾻折に対しては速やかな治療介⼊を⼼がけています。⾻密度測定機器(DEXA)の運用により、連携医と共に地域の⾻粗鬆症予防にも取り組んでおります。
  • 関節リウマチ診療においては、人間ドックとの連携による早期診断、生物学的製剤やJAK阻害薬の導入などを含めた早期治療介⼊による寛解導⼊を⽬指しています。

対応疾患・症状

変形性膝関節症、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、頸椎症性脊髄症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、⾼齢者の⾻折(⼤腿⾻近位部⾻折、脊椎圧迫⾻折、橈⾻遠位端⾻折、上腕骨近位部骨折)、⾻粗鬆症、手根管症候群、肘部管症候群、バネ指

医師紹介

主な実績

2018年度 2019年度 2020年度
治療・検査 件数 治療・検査 件数 治療・検査 件数
人工股関節置換術 35 人工股関節置換術 33 人工股関節置換術 27
人工膝関節置換術 37 人工膝関節置換術 55 人工膝関節置換術 46
人工肘関節置換術 1 人工肘関節置換術 2 - -
人工骨頭挿入術 33 人工骨頭挿入術 32 人工骨頭挿入術 29
脊椎固定術 10 脊椎固定術 32 脊椎固定術 4
脊椎除圧術 41 脊椎除圧術 27 脊椎除圧術 10
脊椎椎体形成術 15 脊椎椎体形成術 14 - -
大腿骨近位部骨接合 27 大腿骨近位部骨接合 51 大腿骨近位部骨接合 39
橈骨遠位端骨接合 14 橈骨遠位端骨接合 19 橈骨遠位端骨接合 17
末梢神経除圧術 16 末梢神経除圧術 16 末梢神経除圧術 16

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関節リウマチ

関節リウマチ

関節リウマチは、関節に痛みと腫れをともない長い経過をたどる病気です。関節の内側にある滑膜組織に炎症を起こして骨や軟骨が破壊され、次第に関節が変形してしまいます。
滑膜に炎症が起きる原因はいまだに完全には解明されていませんが、免疫機能の異常が関与しているとされる炎症性自己免疫疾患の1つです。

どんな人に多い病気?

日本にはおよそ60~70万人の関節リウマチ患者さんがいると言われていますが、性別により発症率に大きな違いがあり、女性は男性の4~5倍多いという特徴があります。男女を問わず加齢に伴って発症率が上がり、高齢になると男女差は少なくなります。30~50歳代で発病することが多く、60歳代に患者数のピークがあります。

どんな症状ではじまるの?

初発症状の80~90%が関節の痛みと腫れです。手首や手の指の関節に現れることが多く、膝や足首、足の指の関節などにも現れます。その他、朝起きた時の手の指のこわばり(動かしにくい状態)や全身疲労感で始まることもあります。

どんな検査でわかるの?

関節リウマチの診断に欠かせない検査がリウマトイド因子(RF)です。血液中に見られる自己抗体で関節リウマチの陽性率は70~80%です。関節リウマチ以外の膠原病、肝臓疾患のほか、まれに健康な人でも陽性になることがあるので、RF陽性だけでは関節リウマチの診断はできません。また、関節リウマチの早期診断に役立つ自己抗体として最近重視されるようになった検査に抗CCP抗体があります。関節リウマチ以外の病気では陽性になることが少なく、高値の場合は病気の進行も早いと言われています。

その他、炎症反応を見る血液検査や、レントゲン、エコー、MRIなどの画像検査で関節リウマチの診断や治療評価をします。

どんな治療があるの?

関節リウマチの治療は、薬物療法、手術療法、運動療法(リハビリテーション)が基本ですが、最近の薬物治療の進歩は目覚ましいものがあります。痛みをとるだけの治療から関節破壊を止めて寛解を目指す治療に変わってきています。関節リウマチの中心的な薬剤はメトトレキサートで変わりませんが、最新治療薬である生物学的製剤やJAK阻害薬は、効果発現も早く、関節破壊を強力に抑えることができます。

早期に適切な薬剤を使用することが大切ですので、1つでも関節の腫れや痛みがある場合は、早めに医療機関を受診して下さい。関節リウマチは治らない時代から、早期診断、早期治療で病気の進行を止めることができる時代になっています。

手根管症候群

手根管症候群

手のしびれ感を訴えて整形外科を受診するもっとも一般的な疾患です。手根管は手首の部分にある骨と横手根靱帯で囲まれた空間で、指を曲げる9本の腱と正中神経が通ります。手根管内で何らかの原因により正中神経が圧迫されると、手根管症候群が発生します。

原因

中高年の女性に発生する原因のはっきりしない特発性が最も多く、そのほかの原因として手を酷使する職業の労働者に発生する腱滑膜炎によるもの、手首の骨折、手根管内の腫瘍、関節リウマチの滑膜炎による手根管内圧の上昇によるものや妊娠、糖尿病、アミロイドーシス、腎疾患などのホルモン異常や代謝性疾患に伴って起こることもあります。

症状

親指~薬指の親指側のしびれ感と感覚低下が主な症状です。人差し指、中指の先端のしびれ感で始まることが多く、次第に親指、薬指へと広がっていきます(網かけ部分)。夜や明け方にしびれが強く、手を振ることで楽になります。進行すると親指のつけ根(赤丸箇所)がやせてきて、ボタンがかけにくい、小銭がつまみにくいなどの細かい作業が困難となります。

手根管症候群

診断

親指~薬指の親指側のしびれと知覚低下といった症状に加え、手首をたたくとしびれ、痛みが指先にひびく(ティネル様徴候)、手首を曲げると症状が悪化する(ファーレン徴候)などの理学所見、神経伝導速度の計測、エコーによる正中神経圧迫所見の観察などで診断していきます。

治療

手首の安静を保つ装具の使用、ビタミン剤の内服、手根管内へのブロック注射などの保存的治療を行いますが、改善しない場合は手根管開放術を行ないます。内視鏡を使用して、小さい傷で行なうことができます。

鏡視下手根管解放術の様子
鏡視下手根管解放術
手術直後の切開痕
手術直後の切開痕

変形性膝関節症

膝の軟骨がすり減り、関節の変形が生じて炎症を起こし、痛みが起こる病気です。年齢とともに増えて、女性、O脚、肥満の方に多い特徴があります。

手根管症候群

症状

膝を動かした時に痛みが生じる動作時痛、膝の曲げ伸ばしがつらくなる可動域制限、膝が腫れる(水が溜まる)関節腫脹があります。

診断

膝正面立位でのレントゲン検査で診断します。関節リウマチなどとの鑑別のために血液検査を行ったり、骨壊死の有無、軟骨や半月板、靱帯の状態を確認するためにMRI検査を行うこともあります。

治療

軽度~中等度の場合は保存療法(リハビリテーション、装具、薬物療法など)で治療を行いますが、重度の場合は手術療法(骨切り手術、人工膝関節置換手術)が必要になります。

当院では、人工膝関節置換術の際には簡易ナビゲーションシステムを使用してインプラントの設置精度を高める工夫をしています。また、麻酔科の協力で術直後の疼痛を軽減できる持続神経ブロックを行っており、術後の疼痛緩和に取り組んでいます。

手根管症候群

骨粗鬆症

骨の強度が低下して、小さな外力で骨折しやすくなる骨の病気です。女性では閉経後急速に骨量が減少して、80代になると約半数が骨粗鬆症と考えられます。

症状

立ち上がったり重い物をもつと、背中や腰が痛くなり、背中や腰が曲って身長が縮んできます。転倒などにより骨折しやすくなり、腰背部、股関節部、手関節部、肩が好発部位です。

手根管症候群

診断

まず、自分の骨密度を知ることが大切です。当院では、二重エックス線吸収法による骨密度測定器を使用して、腰椎と大腿骨の骨密度を測定しています。骨折がなくても骨密度が若い頃の70%以下になっていると骨粗鬆症と診断します。

治療

食事療法、運動療法、薬物療法が基本です。最近では骨折の危険性が高い方に対して強力に骨密度を改善させて骨折の連鎖を止めてくれる注射製剤もあります。当院では地域の医療機関とも連携できますので気軽に相談して下さい。