診療科案内

腎臓内科(血液浄化センター)

概要・特色

  • 腎臓内科では、蛋白尿や血尿、浮腫、高血圧を合併する腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、腎硬化症などの腎疾患の診断・治療を行っています。また、膠原病・血管炎疾患の診療も行っています。
  • 慢性腎臓病(CKD)は、色々な原因で腎機能が低下する腎臓病の総称で、今では国民の8人に一人がCKDといわれています。CKDは上記の腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、腎硬化症が多くの場合原因となることが知られています。また、CKDは「心腎連関」といって心不全、心筋梗塞、脳卒中などの心臓血管系疾患の合併症を起こすリスクが高いため、合併症を起こさないような取り組みも必要です。
  • CKDは進行すると腎不全となり透析医療が必要となります。CKDのステージに応じた食事療法や薬物療法などの対策を行い、CKDのステージがすすまないような治療が重要となります。腎臓病治療は個々の患者さんによって、原因も悪化因子も異なるため、患者さんのニーズに合わせた治療を適切に行い、腎機能低下がすすまないような診療を積極的に行っています。

対応疾患

  • 慢性腎臓病:CKD(慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症・腎硬化などを原疾患とするもの)
  • 糖尿病性腎臓病:DKD(糖尿病性腎症も含めた糖尿病に関連する腎臓病の総称)
  • IgA腎症
  • ネフローゼ症候群
  • 急性腎障害
  • 急速進行性糸球体腎炎(ANCA関連血管炎などを含む)
  • 多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD)
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病および膠原病類縁疾患

主な治療・検査

  • 腎生検
    蛋白尿や血尿が認められる際に腎臓病が疑われ、適切な診断・治療が必要と考えられる患者さんに行う検査です。超音波(エコー)下で、腎臓に細い針を刺して腎組織の小片を採取します。得られた組織は特殊な処理後、顕微鏡で診断を行い、また炎症や障害の程度を参考にして治療方針を決めます。
  • IgA腎症
    腎生検でIgA腎症と診断され、将来、腎機能が低下する可能性が高い患者さんには積極的治療を行います。耳鼻いんこう科で口蓋扁桃の摘出手術を受け、ステロイドという薬剤で治療します。一般的には、ステロイド治療は6か月間で、入院して3日間のパルス療法というステロイドの点滴を1,3,5か月目に3回繰り返します。それ以外の期間はステロイドの内服を1日おきにして治療します。病気が治癒、軽快したり、あるいは進行が遅くなることが期待できます。
  • 慢性腎不全の食事療法
    腎疾患の食事療法は、腎機能や年齢・体格、糖尿病の有無により異なりますが、エネルギー(カロリー)を充分に摂り軽度の蛋白制限と塩分制限をするのが基本です。またカリウムが高いといわれた場合、カリウムの摂り過ぎに気をつけなければなりません。
  • 慢性腎不全の薬物療法
    腎臓病で腎機能が低下し慢性腎不全に移行した場合、腎機能に悪影響を及ぼす様々な因子に対して治療を行う必要があります。特に高血圧や蛋白尿を減らす治療が重要です。RA(レニン・アンジオテンシン)系阻害薬という「腎保護効果」があるといわれる降圧薬を投与します。充分に血圧をコントロールできない場合には、カルシウム拮抗薬などの降圧薬を併用します。むくみ(浮腫)がひどい場合には利尿薬を、尿酸が高い場合には尿酸産生を抑制する薬剤を投与します。また、腎性貧血に対しては、エリスロポエチン(ESA)製剤の注射やHIF-PH阻害薬の内服で治療します。そのほか血液が酸性になった場合、アルカリ性に戻す重曹(炭酸水素ナトリウム)を投与します。腎機能が低下して尿毒素が高い場合、活性吸着炭を投与する場合もあります。このように、腎不全では薬の量がかなり多くなるため、飲み忘れや飲み間違いに注意する必要があります。
  • 腎代替療法
    腎代替療法には、血液透析と腹膜透析といった透析療法と腎臓移植の二つがあります。当院では血液透析しか行っていませんが、腹膜透析の希望があれば、腹膜透析が可能な病院に紹介しています。また腎臓移植の適応があれば専門の腎移植外来のある病院に紹介しています。
  • シャント作成
    血液透析治療は通常1回に3~4時間、週3回行うのが基本です。血液を1分間に250~300mlの速度でポンプで汲み出し、透析器で毒素を除去する必要があるため、腕に血管を太くする「シャント」といわれる手術をする必要があります。腕の動脈と静脈の血管をつなぐ細かい手術で、局所麻酔で行います。当院ではシャント作成だけでなく、シャント狭窄に対する経皮的血管拡張術(PTA)、シャント閉塞や感染等の合併症に対する手術にも対応しています。
  • 血液透析導入と維持透析
    末期腎不全のため透析治療が必要となった場合、一般に透析を始めるに当たり約2週間の入院が必要となります。透析を始めるときに体の中の毒素が急に抜けて体調を崩したりする場合があるためです。また、退院後、自宅近くの透析施設に紹介する手続きを行います。当院では送迎は行っておりませんが、24床の血液浄化センターがあり、外来維持通院透析を行っています。また、他の透析施設で、透析関連の合併症や他の疾患のため入院が必要となった患者さんの対応も行っています。
  • 多発性嚢胞腎に対するトルバプタン治療
    現在、多発性嚢胞腎に対する治療薬はトルバプタン(サムスカ®)しかありません。腎臓の嚢胞の増大や腎機能の低下を抑える効果があります。この薬は腎臓の容積が左右合わせて750mL以上あり、また、腎臓の大きさが年間5%以上増大している方しか投与できません。内服を開始する際には入院が必要となります。

医師紹介

主な実績

2018年度 2019年度 2020年度
治療・検査 件数 治療・検査 件数 治療・検査 件数
腎生検 9 腎生検 12 腎生検 18
シャント手術 70 シャント手術 68 シャント手術 71
経皮的血管形成術(PTA) 23 経皮的血管形成術(PTA) 27 経皮的血管形成術(PTA) 29
新規透析導入 17 新規透析導入 27 新規透析導入 17

腎臓内科(血液浄化センター)をもっと詳しく