診療科案内

乳腺・内分泌外科

概要・特色

  • 乳腺外科
    『乳がん検診』をはじめとし、検診後の精密検査や乳房のしこりの「診断」、乳がんおよび良性腫瘍の「手術」、乳がん手術後や乳がん再発時の「抗がん剤治療」など乳腺全般に幅広く対応して診療しています。
  • 内分泌外科(甲状腺外科)
    甲状腺がん、良性甲状腺腫瘍、バセドウ病など甲状腺の手術を行っています。

対応疾患・症状

乳がん、甲状腺腫瘍(甲状腺がん)、バセドウ病、副甲状腺腫瘍など

主な治療・検査

  • 乳腺エコー
    超音波を用いて行う検査で、あおむけの状態で皮膚にゼリー状の液体をぬり、超音波を出す小さな端子をあて、モニターで画像を確認しながら行います。
  • 甲状腺疾患精密検査
    採血検査で甲状腺ホルモンを調べたり、超音波検査、CT、シンチグラフィ、穿刺吸引細胞診などがあります。
  • 乳がん手術
    乳房温存手術と乳房切除術があります。乳房温存手術は一部だけを切り取る手術なので、自分の乳房を残すことができます。乳房切除術はがんの広がりが大きい場合に行います。最近では乳房を作り直す乳房再建術が保険適用で行えます。
  • 乳がん薬物療法
    抗がん剤による治療、ホルモン療法、分子標的薬による治療があります。薬物療法の目的は①手術前に腫瘍を小さくして乳房温存手術をするため、②がんの摘出術を行った後の再発予防のため、③臓器やリンパ節に転移があり手術が困難な場合、の3つに分けられます。どの薬を使うかは、がん細胞の性質を調べて決定します。
  • 乳がん緩和ケア
    痛みや苦痛を取り除くための治療です。痛みや倦怠感などの症状の対応の他に、穏やかな生活を送るためには精神的なケアも重要です。
  • 甲状腺腫瘍の手術
    手術が必要な病気のメインは甲状腺がんです。ただし腫瘍の小さい場合は経過観察でよい場合があります。良性の甲状腺腫瘍でもサイズの大きな場合は手術が必要です。
  • バセドウ病手術
    バセドウ病は薬物療法が基本となります。手術は甲状腺の腫れが大きい方、薬物療法で効果が得られない方、薬の副作用が強い方、短期間で症状を改善したい方が対象となります。
  • 副甲状腺手術
    原発性副甲状腺機能亢進症や副甲状腺がんなどが手術の対象疾患です。副甲状腺は非常に小さな臓器なので手術前に原因となる腫瘍の場所をしっかり同定してから手術を行います。

医師紹介

主な実績

2020年度 2021年度 2022年度
治療・検査 件数 治療・検査 件数 治療・検査 件数
乳がん手術 50 乳がん手術 41 乳がん手術 43
甲状腺手術 79 甲状腺手術 77 甲状腺手術 79

乳腺・内分泌外科をもっと詳しく

乳がんについて

乳がんは女性に起こるがんのなかで最多で、毎年76,000人が新たに乳がんと診断されています。乳がんの発生は20歳過ぎから認められ、30歳ではさらに増え、40歳代後半から50歳代でピークとなっています。厚生労働省では40歳以上の女性は定期的に乳がん検診を受けるよう積極的に呼びかけています。また乳がんは自己検診が可能ながんで、定期的に自分でチェックすることも重要です。乳がんの治療は『手術』と『薬物療法』と『放射線療法』です。初期治療では『手術』を先に行い、その後『薬物療法』と『放射線療法』で再発を予防します。最近では治療の選択肢が広がり判断に迷う事も増えてきました。乳がんが再発した場合、基本的に完治は困難です。『薬物療法』と『放射線療法』でがんを上手にコントロールする事を目標として治療していきます。

甲状腺疾患について

甲状腺の病気の中で手術の対象となる疾患は、甲状腺がん、良性甲状腺腫瘍、バセドウ病です。
甲状腺がんは基本的には手術が第一選択になりますが、微小がんから局所進行・遠隔転移を伴うものまで病状は多岐にわたり、患者さんごとに最適な治療方針を決めることが大切です。甲状腺がんはきちんと治療を行えば命を落とす可能性は少なく、総じて予後の良い疾患です。最近では 小さながんは手術を行わない場合もあります。しかし、がんが進行すると声がかすれたり誤嚥などQOLを低下させます。
良性甲状腺腫瘍も大きくなると頚部は目に付く部位であり手術の適応となってきます。甲状腺の手術は周囲に大切な神経や血管が多く存在し、専門的な知識と豊富な経験が必要となる手術です。
バセドウ病の治療は基本的に内服薬などで治療しますが、薬の副作用で内服ができなくなる等の場合は手術の適応になります。