地域医療連携

病診連携勉強会

肺結核について

【テーマ】
肺結核について
【講演者】
呼吸器内科 主任医長 加藤研

平成25年4月16日(火)、病診連携システム登録医の先生方をお招きして勉強会を開催いたしました。勉強会の内容をまとめましたので、以下にご紹介いたします。

結核菌の特徴

やや弯曲した細長い桿菌(長さ 5μm)。
細胞壁が脂肪に富み、色素の通過が妨げられるためにグラム染色では染まりにくい。
抗酸性(一度染色された細菌が脱色作用のある酸などによっても脱色されにくい性質)を有する.
飛沫核によりヒトからヒトへ感染しやすい(空気感染)。
約20時間に1回分裂する遅発育菌。
ヒトに感染しやすいが,発症するのは一生のうち 5~10%。
結核菌は様々な器官において細胞内寄生を行い、免疫システムはこれを宿主細胞もろともに攻撃するため、広範に組織が破壊され、放置すれば重篤な症状を起こして高い頻度で死に至る。 日本では、年間3万人(毎日80人)の患者が発生している。

結核の症状

全身倦怠感、食欲不振、体重減少、37℃前後の微熱が長期間にわたって続く、就寝中に大量の汗をかく等、非特異的であり、咳嗽が疾患の進行にしたがって発症してくる。 痰は伴うことも伴わないこともあり、また血痰を伴うことがある。

結核の単純レントゲン写真:

古典的典型例では空洞を伴う結節影がみられる。

結核の胸部CT

肺浸潤影と娘結節の存在、空洞形成、肺門リンパ節腫大、胸水など多彩な像を呈する。

結核の検査材料

喀痰、胃液、気管支洗浄液、気管支肺胞洗浄液、血液、尿、便、体腔液、リンパ節、皮膚、その他の生検組織

分離培養法

液体培地(MGIT)、核酸増幅同定検査(PCR)

クォンティフェロンTBTM(QFT)-2G

BCG接種や多くの非結核性抗酸菌感染の影響を受けない点で、ツベルクリン反応検査と比べ特異度が高い。判定のための再来不要。ツベルクリン反応検査のようにブースター効果がないため、判定がわかりやすい。経費、採血の手間、採血後12時間以内の検査機関持ち込みの必要など、実地上の問題がある.小児においては未だに使用経験が少なく、採血自体が負担になる場合がある。

BCG

予防策としてBCG接種がある。アメリカなどでは行われていない。メリットは、小児の結核性髄膜炎と粟粒結核の頻度を有意に減少させることにある。BCGを中止したスウェーデンなどは、中止後小児結核が増加した経緯がある。しかし成人の結核を減少させるという根拠は無い。デメリットとしては、ツベルクリン反応を陽性化させてしまうため結核の診断が遅れることにある。結核菌の頻度が高い日本などの地域では今後もBCGは行われていくと思われる。

治療

イソニアジド (INH)(Isoniazid)、リファンピシン(RFP)(Rifampicin)、ピラジナミド(PZA)(Pyrazinamide)、エタンブトール(EB)(Ethambutol)(またはストレプトマイシン (SM))の4剤併用療法を6~9ヶ月の投薬療法が一般的である。治療中断により結核菌に耐性ができ、集団感染することが問題となっている。その為確実な薬の服用を目指したDOTS/直接監視下短期化学療法の実施拡大が求められている。