ライソゾーム病センター

当院血液内科では、特殊専門外来として『ライソゾーム病外来』および治療施設として『ライソゾーム病センター』を開設しています。
ライソゾーム病(リソソーム蓄積症)は、細胞内の小器官であるリソソーム内の様々な酵素の欠損または活性の低下により発症する一連の先天性代謝異常症です。欠損酵素や蓄積する物質によりサブグループに分類され、現在40種類以上の疾患が報告され、その臨床症状は多岐にわたっています。代表的な疾患としてゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症などが含まれています。 当院では、ゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症に対する酵素補充療法および基質合成阻害療法、薬理学的シャペロン療法などを多数手掛けており、国内有数の経験があります。
現在、全国各地から定期的に受診され、ライソゾーム病における国内の拠点病院の一つに数えられています。ライソゾーム病に関しては厚生労働省難治性疾患政策研究事業『ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究』などに所属し、多施設共同で治療にあたっています。

ライソゾーム病専門の治療センターです
各個室にて治療を行っています
テレビを見ながら点滴治療が受けられ、おやつや軽食を食べていただくことも可能です
また、室内の照明や室温は、患者さん自身で自由に調整が可能です

ライソゾーム病とは?

ライソゾーム病は、特定の遺伝子異常のためライソゾーム酵素の欠損または活性が低下することにより、本来分解されるべき基質が細胞内に進行性に蓄積し、正常な細胞活動が阻害されることで発症する先天性代謝異常症です 。
ライソゾーム病は欠損酵素や蓄積する物質によりサブグループに分類され、現在、60種類以上の疾患が報告されています。また、その臨床症状は多岐にわたっています。
主な疾患として、ゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症などが含まれています。

ライソゾーム病外来

当院血液内科では、特殊専門外来として水曜日の午前に『ライソゾーム病外来』を開いています。
毎週水曜日 9:00から12:00※

現在、遠方から来院される方も多いため、平日(月-金)すべて対応をしています。

ご希望に応じて個別に対応させていただくことも可能ですので、事前にご連絡ください。

担当医

ライソゾーム病センター センター長 / 血液内科 主任医長 坪井 一哉

医師の紹介

ライソゾーム病センター センター長 / 血液内科 主任医長 坪井 一哉

研修医の1年目の頃にゴーシェ病の患者さんを受け持つ機会がありました。ゴーシェ病は、ライソゾーム病の一つで、血小板減少、貧血、脾腫をきたし、骨髄に「ゴーシェ細胞」を認める疾患です。当時、血液内科の専門医が診察にあたり、研修医として一緒に診療を行いました。
主治医になって間もなく、ゴーシェ病に対する酵素補充療法が国内で初めて認可・承認(1996年)されました。酵素治療を開始した後、巨大な脾腫が徐々に縮小していったことを今でも鮮明に覚えています。このことが縁で、その後、ファブリー病、ポンペ病、ムコ多糖症の患者さんも診療するようになりました。
ライソゾーム病は一般の血液疾患・血液腫瘍とは異なる疾患ですが、全身の臓器を含めて診ていく必要があること、定期的に点滴治療を継続していくことなど多くの共通点があります。
また、多分野・多職種とのチーム医療に加え、血液内科医として外来での化学療法に経験があったこと、そして、何よりも多くのライソゾーム病の患者さんが困られて相談にみえたことなどが、今日の『ライソゾーム病外来/ライソゾーム病センター』設立のきっかけになりました。

ライソゾーム病総合コースとは?

ライソゾーム病外来では他の診療部門と連携し『ライソゾーム病総合コース』を開設しています。疾患の診断や経過観察に必要な検査・診療を日帰りで実施することが可能です。

診察・検査の流れ(例:ファブリー病)

1.予約

完全予約制となっておりますので、事前にご予約のうえお越しください。

電話番号 052-452-3126052-452-3126(外来予約受付)
受付時間 9:00 〜 16:00 (休診日を除く)

2.外来受診・問診

現在の状況をお聞きしながら治療方針や検査内容について説明を行います。分からない点には丁寧に説明し理解を得るように心がけています。

3.採血・採尿

蓄積物検索、各種生化学的検査を行います。

4.各科受診・検査

各科が連携し、レントゲン検査、心エコー検査、頭部CT / MRI検査、心電図、耳鼻科的検査、眼科的検査 / 角膜検査などを行います。

5.診察・結果説明

当日、ライソゾーム病外来担当医師より検査結果について説明します。
なお、一部、時間のかかる項目に関しては、次回の受診日にお話しします。


状況により検査内容や順序が異なる場合があります。また検査や診察・診断の所要時間には個人差があり、お待たせする場合がありますが、予めご了承ください。