前立腺がんに対する手術は、開腹して前立腺を膀胱・尿道から切り離して摘出する「前立腺全摘出術」が行われてきました。この手術方法では、がんを残さず摘出することはもとより、尿道括約筋を損傷することなく(注1)、周囲の神経を温存して可及的に男性機能を損なわないようにする(注2)ことが求められるため、臍下(せいか)(へそのすぐ下)から恥骨に至るまで20cmほどを切開して手術を開始します。この手術では時として大量の出血が生じ、手術後に永続的に尿失禁が生じることもあります。
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注1)尿道括約筋を損傷すると、術後に尿失禁を生じる可能性があります。 注2)周囲の神経を損傷すると、勃起能が損なわれる可能性があります。
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当院で行う、前立腺がんの「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)」は、国立大学法人東京医科歯科大学の泌尿器科で開始された手術方法で、その基本概念は「臓器が取り出せる最小限の切開創での手術を行う」というものです。通常、手術後に6cm前後の小さな傷が1つ残るだけで(注3)、患者さんの身体への負担が軽い手術です。手術は腹腔鏡を用いて行いますが、腹腔鏡手術の問題点とされているもののうち、@腹膜内に傷をつける、Aガスを注入する、B小さな孔を多数必要とする、という点を無くし、安全性を高めた手術です。
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なお、腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)は、腹腔鏡手術と比べるとディスポ製品(使い捨て医療材料)をほとんど使用しないうえ、気腹を必要としないためにCO2を使わずに済み、環境に優しい手術(エコ・サージャリー)です。
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注3)手術後に残る傷の大きさは、目安であって、手術内容によって異なる場合があります。
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