診療科案内

320列ADCT装置【Aquilion ONE】

当院では、平成24年5月より東芝社製320列AD(エリアディテクタ)CT装置【AquilionONE】を導入しました。

320列ADCT装置【Aquilion ONE】

320列ADCTとは

320列とは一度に撮影できる断面の数で、列数が多いほど一度に撮影できる範囲が広くなります。現在臨床で使われている装置では320列が最高で、1回転のスキャン(0.35秒)で160mmの範囲の撮影が可能です。脳や心臓は、寝台を移動させることなく1回転のスキャンで撮影することが可能となり、被ばく線量や造影剤の使用量を減らすことができ、動きによる影響も少なくなります。また、新しい画像構成技術の搭載によりノイズを低減し、従来の装置より少ない被ばく線量での検査が可能です。画像処理能力も高く、心臓の機能解析や高度な3D画像の作成も可能です。

検査紹介

320列ADCTは、従来のCTで撮影される全身の横断像(輪切りの写真)も、新技術の搭載で大幅に改善されていますが、ここでは「広い範囲の3次元データを短時間で取得できる」という320列ADCTの最大の特徴を活かした検査の画像をご紹介します。

心臓

心臓画像
心臓画像

心臓の撮影では、寝台を動かさずに心臓全体を撮影することが可能となり、これまでは撮影に7~8秒を要した心臓が1回のスキャン(0.35秒)で撮影できます。(※)
これにより心臓の代表的な病気である狭心症や心筋梗塞などの検査において、使用する造影剤量や放射線被ばく線量を減らすことができ、患者さんの負担を軽減することができます。

検査の準備や位置合わせのため、検査全体には15~30分程度必要です。

脳血管

脳血管画像
脳血管画像

寝台を動かさずに撮影できるため、造影剤の注入前後の写真を全く同じ状態で撮影して処理することで、造影された脳の血管だけをブレなく描出することができます。また、造影しながら脳全体を連続して撮影することで、脳の血流動態を容易に観察することができます。

腹部

腹部3D画像
腹部3D画像

これまでのCT装置と比べ、短時間でより広い範囲を撮影でき、造影剤の流れの時相(動脈がよく造影される時相や門脈がよく造影される時相など)を別々に撮影することができ、より情報量の多い画像を得ることが可能になります。また、高度な3D処理を行うことで、それぞれの血管の走行と臓器との関係が詳細に観察できます。